なんだコレは!
ばかばかしすぎるぞ!(褒め言葉)
「フランス式ホームズ・パロディ短篇集」とあるけど、カミだからと覚悟はしてました。
が、予想のかなり上をいってました。
最初の数話、このぶっとんだ愉快さ加減も落ち着いてくるのでは…?と疑いながら読んでましたが、「骸骨盗難事件」で確信しましたよ、ひどくはなっても落ち着きはしないって。
すごいよね、カミって。
さらに、訳者。
カミのダジャレを組み込むのってたいへんな技ですよね。
クリク・ロボットでの暗号の翻訳にもうなりましたが、これもかなりのことですよね。
へんなところには、遠慮せずにつっこみいれてるのもナイスです。
事件の前提がありえないことだけど、それを大真面目(ふざけてみえるけど)に検証して解決に導くというか、強引ににじり寄るというか。
二部構成の後半は、ルーフォック・オルメスの好敵手、怪人スペクトラとの闘いが繰り広げられます。
これがまたひどい。
これでもまだルーフォック・オルメスを名探偵と呼ぶのがまたひどい。
本人がそう思っているのもひどい。
こんなのがライバルでいいのか、スペクトラよ!と言いたくなります。
とにかく、好き嫌いはわかれるところなのかもしれませんが、私は大好きです。
ふだん私のつっこみに共感してくださる方なら、これも一緒に楽しめるのではないかと思います。
コントの台本形式なので、どんどん読めてしまうのが悩みの種でしたけどね。
あと、オルメスもスペクトラも、どんな顔してたのか、カミのイラストも見たかったなあ。
表紙の男はオルメスでいいのかしら?