「10人子どもを産めば、ひとり殺せる」、そんな社会制度が確立しているという、タイトル作がもっとも印象的でした。
男性も、人工子宮というものがあるので子どもを産めます。
10人産んでないのに人を殺すと、捕えられた後、一生子どもを産み続けなければならないのです。
このシステムで産まれた子どもはセンターに預けられ、子どもが欲しい家庭はセンターから譲り受けるのです。
これで人口減少も食い止められ、この制度のおかげで自殺は格段に減ったとのこと。
それにしても、毎年産んだって10年、それほど抱え続けられる恨みっていったい…。
センターっ子は確実に「人殺しの子」なわけですよね?
それでも歓迎される社会って…。
ある意味、親がそうだからと言って、子どもまで一緒の目で見るという偏見はない、理想の社会といえるのかもしれません。
でも、命を授かることに対して、愛情がひとつもないのが空恐ろしいです。
髙橋慶彦、津田恒美を応援していた私は、今で言うところの「カープ女子」だったのでしょうか(笑)。
応援していた頃は二人ともすでにスター選手だったので(子どもだからスターに目がいきますからね)、この本でヨシヒコの若い頃を知ることができて楽しめました。
ボイコットからの謹慎騒動さえ、懐かしいです。
この本が出たのが、昨年の2月。
こんなにカープ愛を語っているのに、新監督がヨシヒコではないということは、球団経営陣はこの本を読んでいないか、許せないかのどちらかだな。
復帰させるなら今だろう!と思わないでもないぞ、最近は全く野球見てないけど。