9年前にマードックの妻を含めた3人を殺した連続殺人犯エリオットが、精神病院での治療を終えて退院する、その恐怖を訴えても警察はまともに受け止めてはくれない。
数年前までエリオットは度々脱走してはマードックへ復讐しようとしていた。
家族を守りたいマードックのピリピリした気持ちは奥さんにも微妙に伝わらず…果たして本当にエリオットは治ったのか?それとも治ったようにみえるのは復讐のための計画なのか?、という。
マードックがひとりで落ち着きを失くしている様子はとてもツライ。
エリオットは本当に治療のおかげで、マードックへの復讐心を抑えることに成功したのかもしれない、ありもしないことでパニックに陥るマードックの物語かしら…?と思い始めたらっ!
犯行現場に踏み込まれて、自分の銃で生殖機能を失った恨みは数年で消えるものではなかった…。
犯罪責任能力、更生目的の施設、犯罪被害者の立場等、30年以上前(1978年)に書かれたとは思えないくらい今も抱える問題がつまっている。
年代知らなければ違和感ないかも。
それだけ、簡単には解決できない問題であるということか。
託児所や学校側が、親でない迎えに簡単に子どもを渡してしまうのはさすがにないだろうけど。
この本で何が一番怖かったかというと、エリオットの買い物メモ。
具体的に何に使うと書かれているわけではないけれど、ひとつひとつが並ぶともうそいういうことでしかないわけですよ。
買い物メモ、恐るべし!
買い物メモの変化で話が想像できるものを読んだ記憶があるのですが、思い出せない…。
短編集の中のひとつだったような気がするのだけれど。
心当たりのある方、よろしくお願いします(笑)。
追記
買い物メモの話、「フランクを始末するには」の中の一編でした。