出ていることを知らず、
にせみさんに教えていただいた、「
気になる部分」、「
ねにもつタイプ」に続く岸本さんのエッセイ第三弾。
エッセイなのか…
岸本さんの脳みそがむき出しになった、そんな感じさえいたします。
某出版社の奇想コレクションに入っていても違和感なさそうです。
まだ岸本さんのエッセイを読んだことがなく、どこかに脳みそごと連れて行かれちゃうような体験をしてみたいなあと思う方には是非ともおすすめです。
連れて行かれたままかもしれない覚悟は必要ですけど。
イラストも、内容をしっかりとらえたようでいてステキです。
昔、先生が学級だよりとかに使うようなイラスト集から抜け出てきたようなタッチだけれど、醸し出されるものは岸本さんの文体と同じ匂いがします。
どのお話もたいへん楽しかったですが、なかでも本のタイトルにもなっている「なんらかの事情」には特に心を動かされました。
放火された家の次男が親戚に「大変なことをしてしまった」との電話を残して行方知れず、警察はこの次男が「何らかの事情を知っているものとみて」行方を捜している、というような場合に使われる「なんらかの事情」であると説明されている。
犯人と思われるが断定を避けている優しさ?、本当に事情を知っているだけと思ってる?というようなモヤモヤ感なわけですが、これと似たようなもので「何らかの事件に巻き込まれた可能性がありますね」という言葉を聞いて仰天したことがありますよ。
詳しい状況は忘れたが、数年前にテレビのニュースで切断された遺体の一部が発見されたとの事件を知らせた後に元警察官だか何だかのコメンテーターが前述したようなことを言ったのですよ。
本当に「何らかの~」って言ったんですよ、こういう時の決まり文句なのかしら?
とにかく、切断されてるんだから事件でしょうよっ!
もしかして切断マジックの練習失敗したとかの万に一つの可能性を考慮しているわけ?
でも切断された身体の一部なんだからやっぱり事件じゃないのか?と、物騒な事件とは別の理由でもどぎまぎしてしまった、そんなある日の夕方を思い出しました。
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