2009年にWOWOWで放送され、最近AXNミステリーでも放送されたBBC版
「刑事ヴァランダー 白夜の戦慄」の3話め、「友の足跡」の原作。
スヴェードベリは何故殺されたのか?
彼が自分の夏休みを使ってまで独自に捜査していた若者たち三人の夏至前夜パーティー失踪事件にはどんな意味があるのか?
真相が見つかるまでの試行錯誤、読み応えありました。
本のほうがかなり恐ろしい犯人像でしたね。
今の世の中を予見しているかのようで、1997年に書かれたものであることに驚きます。
事件にも悩みながら、発覚した糖尿病を認めたくない足掻きも見逃せない。
「糖尿病なのですか?」に「血糖が高いだけだ」ですから。
いきなり食事をスープだけにしたり、血管の中に砂糖がたまっていくのを想像して恐れおののいたり、ヒーローじゃない「おっさん」的描写にはそそられます(笑)。
糖尿病の話題は身近なので「おいおい、甘く見てはいけないよ、気をつけたまえ」と思ってしまいますよ。
だらしないとはまたちょっと違う(違わないかも?・笑)、携帯電話を忘れる、車のライトを消し忘れる、そんなところもまたヴァランダーなのでしょうね。
携帯電話は時代的にまだ慣れていないのかな?と思うべきでしょうか。
そうだ、BBC版で、ヴァランダーの着信音、「けろっけろっ」ってな感じでしたよね。
「電話が鳴った」なんてあると頭の中にあの着信音が鳴りだしましたよ(笑)。
先にも書きましたが、WOWOW放送のBBC版では3作め。
でも小説では7作めなのですよね。
もうちょっと一緒に仕事してるのを見てからの事件であって欲しいなあと思いましたよ。
その分、ドラマの方では「話しかけたかったスヴェードベリを遮ってしまったヴァランダー」が意味を持ってくるのかもなあ、などとも思ってみたり。
それからタイトル。
スヴェードベリという人を追いかける形で話が進むので、
読む前はドラマのタイトル「友の足跡」の方がいいのに…と思ってました。
しかし読後、確かに「背後の足音」であると感じられました。
そうそう、バイバと最近まで付き合っていたらしいことに驚きましたよ。