本の感想ブログを更新停止にしたので、本の感想がたま~に登場すると思いますがよろしくお願いいたします。
クルト・ヴァランダー刑事シリーズの二作目。
順番にうるさい私ですが、一作目「殺人者の顔」はスウェーデン製作版をAXNミステリーで見ているので読んだ気になってこの「リガの犬たち」を。
たまたま手に入ったからなんだけど。
海岸に流れ着いたゴムボートから高級なスーツを着た二人の男の射殺体が発見される。
歯の治療跡から、東欧・ソ連からやってきたのかもしれないとリガから犯罪捜査官リエパ中佐を招く。
リエパ中佐が帰国直後に殺され、ヴァランダーが応援を頼まれるところからソ連から独立間近のラトヴィアの内紛に巻き込まれることとなる。
と、重々しい社会情勢が背景にあるのだが、ヴァランダーの情けなさが私にはツボ。
いつも「リードベリならどうしただろう」、「リードベリならこう言っただろうか」と常に病死した同僚のことが頭から離れず、さらには警察の仕事に心が引き裂かれる寸前で警備員への転職さえ考えている。
一作目では別れた妻とのやり直しを切に願いながらも、一方的に恋した検察官にふられていたが、今度はリエパ中佐の未亡人に恋心を抱く。
この普通の人間っぽい不安定さと情けなさが好きだ。
再びラトヴィアへ向かったのも警察官としてではないもの。
警察官として出向いていたら好きじゃなくなっていたとさえ思う(笑)。
WOWOWで放送されたBBC版の印象が強く、頭の中には常にKenneth Branagh。
夜中、急な胸の痛みに病院へ行き「なんともない」と言われるストレスの塊男なのに Kenneth Branagh。
逆だよね。ドラマは原作のヴァランダーそのままだったのだ!
事件の方は、それまでの緊迫感に比べ、最後はあっけない気がしないでもないが、どうやらヴァランダーファンになってしまったようなので(壊れた男好きだから。奥田英朗さんの「邪魔」の妻を亡くした刑事が一番好き)これもまた折を見て読んでいきたいシリーズとなりました。
WOWOWでもまた新作が放送されるのですよね、楽しみ。