#16 ジャッカルズ1976年。父親が詐欺で刑務所に入った2か月後に17歳の娘サラが刺殺された。
父親が出所時、荷物の中から殺される数日前にサラが暴走族ジャッカルズの男のバイクに乗る写真を発見し、手がかりとして殺人課を訪れた。
辛すぎ。
お父さんの無罪を信じたのに本当に詐欺犯、娘殺しにいてもたってもいられず脱獄しようとしたら看守にケガをさせて刑期が倍の30年、そして真相をたどるとサラは絶望の絶叫で死を迎えたのですよ。
よく背を向けられたものだ。
サラの味方をして退学になった女友だちも、ジャッカルズが家族であるといいながらその実は使い捨ての駒としか見てなかったのですよ。
お父さんに裏切られた想いで一時は荒れて違う世界を覗いたものの、居場所ではないと悟ったのに、助けてくれるとすがった人に背を向けられたこの絶望感といったら…。
CCはたいてい解決してよかったと思える事件だけれど、これは…。
確かに解決すべき事件ではあるがその瞬間のサラの絶叫がとてもこたえます。
ジャッカルズへの潜入捜査官の道の踏み外しと反省、サラを想うあまりに脱獄をした父親、とリリーは自分を重ねて苦悩しているようにも見えました。
心理状態もあるかもしれないけれど、とにかく最近になくつらいエピソードでした。
なので、ジェフリーズに会いに来た若い女性(ウィルと呼んでいたぞ!)は誰なのか?、ジェフリーズとヴェラの同居は続くのか?と他のことに気をそらしてみたりして。
そうそう、トゥルーブラッド#11と続けて見たのですが…なるほどレネの人はジャッカルズのリーダーか。なんとなく納得。
#10までなら思わなかったかも(笑)。
#17 銃声帰宅途中のジェフリーズが、牛乳を買うために店に立ち寄るが何者かに撃たれる。
一緒に帰宅途中で車で待っていたヴェラが駆けつけると、店主も撃たれて倒れていた。
二人とも搬送されるが店主は死亡。
リリーとスコッティが現場を調べると、最近ジェフリーズをたずねてきた女性の写真を発見。
店主の孫娘である彼女はヴァレンタインとのトラブルをジェフリーズに相談していたのだった。
#15に続いて、現在の事件を追うという珍しいCC。
数話前にヴェラがジェフリーズにと言付かった電話とか、「ウィルはいますか?」と訪ねてきた若い女性とか、このエピソードの前ふりだったのですね。
以前出てきた話がつながっているというのはあるけれど、一見枝葉のような出来事にメッセージが隠されていたというのも珍しい。
撃たれる必要も、撃つ必要も、まったくなかったのに、間違った仇討ちの哀しさが強かったです。
この前(#15「証人」)は間に合ったのに。
店主は昔不良だったジェフリーズにも、ヴァレンタインにも、フランシスコにも、まったく同じ態度で接する人だったことに尊敬を覚える。
万引きだけの弱そうな子、金品を要求するギャング気取り、そんなこと関係なくまっとうに働くことを諭せる人だったのですね。
これまで何人が救われてきたのかが、ラストの店の前の人垣でわかります。
その真摯さは魂に届き、フランシスコまでをも惹きつけていたのに、弟には「兄ちゃんを侮辱したいけ好かないオヤジ」くらいにしか思えなかったのでしょうね。
ジェフリーズ刑事が撃たれた!と警官総出の中でも、チームメンバーの力の入れようというか心の動きがよかったです。
自分が牛乳を飲んでしまったから撃たれたのだ、あそこはジェフリーズの家だからひとりで帰る場所ではない、というヴェラの気持ちは痛いくらい。
ボスは、素早すぎる到着警官から内務の動きを察知し、副本部長との対立に応戦する構え。チームへの信頼感があるからこそですね。
スコッティは、夫とヨリを戻すという最悪のフラレ言葉にご機嫌斜めなところに銃撃事件で八つ当たりしたものの…まあ、気持ちにウソはつけないと確信しちゃったようですね。
中でもリリーの嗚咽。刑事が撃たれたと聞いて、同じく刑事である娘が心配になり駆けつけるお父さんへの想いでしょうか。
私には、帰宅して娘を抱きしめていたミラー同様、心配したりされたりする家族の存在だと感じられたのですが…。
そして、デキル男であることを証明したベル検事補はすっかりチームの一員だ。あの部屋に違和感なし(笑)。