製粉工場で自殺した管理者パトリックの事件を調べる警部とバッカス。
パトリックは、元は工場の持ち主だったが経営悪化のため、労働党候補のパーショーに工場を売り渡して管理責任者として働いていたのだった。
オフィスを調べると、現金がなくなっていた。
自宅では、修正を加えられた帳簿が見つかり…。
パーショー、法的には罰せられるべき人でしたが、工場を買い取るのも村の雇用を守るため、衛生面も即座に改善、とやることはやってるのですよね。
操業停止にしなかったために命を落とした男性の息子ジェドに対しても責任感じてるし。
ジェドの父親は酒飲みだったから、と突っぱねるだろうに、内緒で応援してるんですよ。
糾弾すべきことだけれど私利私欲のみではなかった、ここはラストで警部が選挙の開票結果の場に送り出したところからも感じられますね。
妻の本気の浮気、それを知った現場責任者の強請り、金を渡して解雇のつもりが、パーショーが目をかけている熱血漢ジェドの拳の一振りでの殺人、とドミノのように転がるお話でした。
バッカスがフリーメイソンに入った目的は、潜入捜査でいいんですかね?
食品衛生管理官と出会ったことが解決に導いてくれたので、お手柄といえばお手柄なのですが。
しかし、フリーメイソンの握手の仕方がふつうだったのには驚いた。
私が知ってる握手は、確か膝の下から右手を伸ばしてだったような…?←モンティ・パイソンに毒されてますね(笑)。
バッカスはロンドンでのセミナーに参加したいけれど、警部は反対。
しかしバッカス、ジジイに頼んで強行突破。
バッカスは、ただロンドンに憧れているのではなく、生活を変えたい気持ちが強いのですね。
リサとの結婚は、ジジイから自分の将来を守るため、サラと産まれてくる子どもには責任をとりたかったから、根が正直なバッカスらしいです。
捜査で聞こえてきた「家族とは他人が暮らすもの」も、自分に言い聞かせてたのかな。
ジジイがロンドンのセミナー行きを許可したのは、バッカスを遠ざけるためらしく、これでは警部が一人ぼっちになってしまいます。
これか、邦題の理由は。
今までバッカスがずっと一緒で「全然孤高じゃないじゃん」と思っていたもの(笑)。
警部はまだまだバッカスを鍛えたい、バッカスもロンドンに行ったら自分の生活を超えての警部の存在に気づくのではないでしょうか。
なのでやっぱり孤高の警部ではなくなるとみた。
お試しで見始めたものの、1960年代の新鮮さと、厳しくも愛のある警部の姿勢、ユーモアも忘れず、そのバランスがとても好みだった。
続きも是非見たい!