善悪を超えた意志の強さを感じる。
親を殺された復讐劇であることは早いうちに語られるが、そこから私の知らないナチの思想へと広がりをみせる。
かつてのパートナー、モリーンの死を知ったステファンは、病気休暇中に自分の病気から逃れられるかのように権限のない捜査へと入り込んでいく。
ここら辺、規則的にどうなのか?と思わないでもないが、地元の警官との関わりはステファンという人を知るのにかなり大切なことだったと思う。
病気のことでいっぱいいっぱいなのに敢えて捜査に加わり、そしてやっぱりところどころで感情爆発、生身の男だと感じらる。
ステファンは一応の解決をみた後、治療を終え、モリーンの死を「過去に追いつかれた」と表現する。
この言葉はとても重い。
モリーンの娘がその過去を踏まえての未来に力を注いでいたのだと思うと皮肉で哀しい。
最後のイギリスへの旅で、モリーンというパズルを組み終え、それを新たな自分のスタートとするステファンをヴァランダーはちょっと見習った方がいいと思った(笑)。
PR
COMMENT