「シークレット・レース」に影響されて、手を出しました。
著者の自転車レースのシリーズは
「サクリファイス」を読んで以来。
主人公である誓のその後が気になるのに、何故か放置したままだった。
特に理由はない。
主人公の白石誓は、ヨーロッパに活動の拠点を移したらしい。
スペインで2年、そしてフランスへと移籍。
それなのに、まだ半年しかたっていないのに今季限りでスポンサーが撤退するという。
そんな中で迎えた、最初で最後かもしれないツールド・フランス…舞台はそういった状況です。
細かいことは忘れてしまっているので、電話をかけてきていた伊庭との関係や、誓が「まだ日本に戻れない」と思う理由に思い当たれないのが残念。
読み返した方がいいかな…。
誓の清々しいまでの自分のポジションへの誇りは気持ちいいです。
エース格の選手が、ドーピングに手を出して観客を失望させるような栄光ならいらないと胸を張るところも。
これほどまでまっすぐにいられるのはうらやましいです、真実らしきことを先に読んでしまっているので。
そんな誓の成長物語であると同時に、ライバルチームの新人二人ニコラとドニのぶつかった壁が見事なまでの青春残酷ストーリー。
急に強くなったニコラと同じスタートラインに立つために、というドニの選択は「シークレット・レース」を読んでいると容易に想像できる。
そして急に強くなったわけではないとの告白を聞いたドニの心境と言ったら…。
なんとも残酷な、それでいてニコラにそれを乗り越えさせようという締め。
とりあえず、その後のニコラや誓の話は書かれていないみたいですが、今後期待してもよろしいのでしょうか。
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