建設現場で人骨が発見される。
かなり古いものであるため慎重に掘り起こされている間に捜査が行われるが、いらいらするくらいに進まない。
が、同時進行で語られる、その埋められた人骨事件の様相がかなり濃くて、捜査のいらいらを感じさせないくらい。
ようやく緑衣の女に出会えたところで急展開となり、一気に真相が語られるわけですが…なんともまあ…。
確かに人骨事件を解明していくのだからミステリなのだろうけれど、それではくくれない大きなドラマのよう。
ずっと「母親」としか表記されていなかった意味を深くとるのは考えすぎでしょうか。
訳者あとがきによると、前作
「湿地」同様、DVが根幹であることが訳者は辛かったので著者に質問したのだとか。
DV被害者に代わって現実を世に知らしめることを使命と感じているようだ。
ケッチャムを「本当はいい人」と思うことと同じかしら?
重すぎるのに読みやすいのか、読みやすいのに重すぎるのか判断つきかねる…。
それに、やっぱりシリーズ途中からの紹介というのは残念(「湿地」が3作め、「緑衣の女」が4作めとか)。
エーレンデュルが今までどんな歩みをしてきたのかがわからないと、幼少時の弟の話とか、娘への語り、元妻に何故あれほどまでに憎まれているのか、同僚のエーレンデュル評、そういったことを想像するのに情報足りないんじゃないかという気がする。
情報足りないっていうか、「損させられている」が近いか。
なじみのない国だけに、あとがきで紹介されている名前の話もたいへんに興味深い。
基本、姓はなくてファーストネームが正称なのだとか。
姓っぽいのは父または母の名に息子なら、娘ならの属格をつけたもので、家族がバラバラのものをもつなんてこともあるらしい。
外国人だから後についてるから苗字、家族だから一緒なんて言いきれないのですね。
PR
COMMENT