人間のクズと、良き人と、罪を犯してしまった良き人の物語でした。
クズの人(ドレーク)は、ユスリ、タカリ、暴力、誘惑、そして仕事は怠慢と非常にわかりやすいクズっぷり。
払う気なくて、自分が優位なのをわかったうえで「今月、厳しいんで家賃はちょっと。できればいくばくかを御貸しいただけるとありがたい」みたいに下手に出る姿は非の打ちどころがありませんでしたよね。
領主様を屋敷に戻してあげたかった家政婦、妹への仕打ちの仇をとった監視員、その兄を咄嗟にかばった妹、どれもできれば見逃してあげたいですよ。
みんな人を想ってやりすぎちゃったということで。
病院視察の大佐も、意見こそ違えわからず屋でもなく、アンドリューの上司も規則には逆らえないがパイロットの受ける重圧というものを理解してくれる人。
このエピソードは、人を思い遣るということがテーマだったように思います。
思い遣りのない日常を過ごしているから、そう感じてしまうのでしょうか。
屋敷が病院になってしまった領主様の、戦場で自分の足を撃ったとの告白に、「病院を手伝われては?」と提案するフォイルさんの言葉にはちょっとやられてしまいましたよ。
やっぱりフォイルさんはこの時代に必要とされる刑事さんだなと。
婦長さんと顔を火傷したけど陽気な軍人さんの関係とか、
重圧につぶされそうなアンドリューが、わかってくれる人を得て表情が落ち着いていくのもよかったです。
日本語のタイトルは「癒えない傷痕」ですが、ミルナーがアンに言ったように、それぞれに「あなたがいれば大丈夫」という、そんな予感がするエピソードでした。
それにしても、偶然とはいえ、クズの人殺人の現場には人が集まったもんだ(笑)。
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