犬見に精を出す著者の私小説ということで、同じようにいろいろな理由で犬とは暮らせずに近所の犬を見ることが好きなので、ついつい手を出してしまいました。
表紙も裏表紙もかわいすぎるしね。
こんな子いた、あんな子いた、というほのぼの話を想像したけれど、これが案外きついものがありました。
猫のシャアとの話のラスト一行はぐさっときました。
それに、肉球愛。
これは私も、泥で汚れた足を洗う時に感じました。
肉球をマッサージするように洗っているその手を、まさはなめてくれていました。
自分の濡れた足をなめているつもりだとはわかっていても、私の手を、自分の方法でケアしてくれているようで、幸せな気持ちになったものです。
犬バカって、ワンコと一緒だととてつもなくしあわせであるのだなあと再認識いたしました。
そんな犬好きにはよくも悪くもこたえるエピソード満載ですが、「グレースとミー」は毛色の違ったオチがよかったです。

COMMENT
勘弁してくださいよ~;;
>まさはなめてくれていました。
うわ~ん!またまた泣けちゃうじゃないですか~(TT)
同じく私も諸事情により犬を飼えない(飼わない)ので
家の前を散歩する近所の犬たちを、朝な夕なキッチンの窓から眺めて楽しんでいます。
姫野さんとは年齢も近い上に、「犬は好きだが好かれない」と言う悲しい性質も同じで、共感する部分が多かったです。
Re:amiさん
実際はおとなしくて、暴れることすらしなかったのに。
自分で書いておいて、勘弁してくださいよ~です(笑)。
かわいいだけのお話を期待していたから、こういう目に遭ってしまったのかもしれません。
姫野さんほど積極的ではありませんが、私も近所に友だち犬はいます。
かなりの老女なので、一度会うと早くにまた会わなければ!と思ってしまいます。