年末のエンタメ系ベストテンで何冠だかしてますね。
読み始めた時は、タイトルと紹介文に惹かれただけで、そんなことはまだ知りませんでしたけど。
結果、面白かったです。
ただ、こんなに面白かったのに、体調どん底でしたので、手に取ってから読み終えるまで2週間近くかかりました。
実際に読んだのは2~3日でしたけど。
これは何を書いても読む楽しみを削ぐと思われるので、これ以降は読了した方だけにしてください。
ネタバレというよりも、読んでいく過程そのものがこの本の楽しみだと思うので。
このくらいならどの紹介文にも書いてあるのでいいですよね?
誘拐監禁で進むのかと思えば、容疑者がいなくなる。
さらに被害者までもが姿を消し、その名無しの被害者周辺を洗うと、どうやら純粋な被害者ではないとわかると、今度はこの被害者が。
そして怒涛の第三部となるわけです。
一部で違和感覚え始めると二部へ、また二部で同じように感じ始めるとと三部へ、と見事にもっていかれました。
そこで、誘拐されたアレックスが「まだ死ぬわけにはいかない」との一念で脱出したことの意味が増します。
ああ、なんたること。
この誘拐事件の根本の、なんと酷いことよ。
きつすぎる傷に、たったひとりで立ち向かったアレックスという女性の物語に警察が見事にこたえた形となっています。
重くもしっかり流れるアレックスの物語ですが、警察側の話もまたいいです。
傷ついた警部と、仲良しだからこそきついことが言える上司、信頼できる部下、いい感じでした。
紹介には「倹約家」とあった彼、ただの盗っ人では?と思いましたが、アレは泣かせる。
あの喜び方は、何の裏もなく、純粋さでしかない。
ヴァルーヴェン警部も、最良の選択だったと思えます。
この本は、ヴァルーヴェン警部を主人公にしたシリーズの2作目のようですね。
これだけ多くに受け入れられたのですから、続きも、1作目も出版されるでしょうけれど、警部の身に起きたことなど、出来れば順番通りに読みたかったですよ。
楽しい読書だったのですが、アレックスにはもうひとつ仕事が残っていたような気がしてなりません。
彼女はいいのですか?
だって伝えたのにしらんぷりしてたのでしょ?
自分がアレックスだったら、彼女にもっ!と思うけどなあ。
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COMMENT
無題
Re:atsumiさん
あんまり、〇〇賞だから~という理由では読んでいないつもりですが、その賞との相性などもありますからね。
メフィスト賞とか(笑)。