ちょっと前に、
イマジカで放送中のポワロで見た「アクロイド殺し」。
まさかの犯人だったため、小説にも手を出してみました。
週刊文春の「東西ミステリーベスト100 海外編」でも5位だし。
結果はですね、やはり最初に映像を見てしまったのは失敗だったかと思われます。
自分が小説とドラマのどちらを重視しているかにもよるでしょうけれど。
私は、どちらかといえば小説の方を喜ぶタイプなのかもしれません。
この本を何度も読んでいる方が多いというように、犯人を知っているから、細部に目を凝らせるというのはありがたいですよね。
実際私も、犯人がアクロイドの部屋を出る時の描写には文字以上の意味を感じられて、「なるほど」ときました。
ただやはり、様子が目に見えないからこそのドッキリを逃してしまったのは残念でならないです。
ドラマではキャロラインは妹でしたけど、本当は姉だったのですね。
ドラマでは妹であることが大きく影響していたと思うし、小説では姉であるからこそ、弟の自分に対して「性格の弱さ」を懸念しているところに恐れを感じ、と年齢関係を変えたことはしっくりきているように感じます。
ドラマでは、悟った妹が協力しちゃうところとか。
その後の捕り物劇は映像ならではですよね。
ここも、ドラマ版から「みんな自分をいいように使う!」という犯人の怒りが伝わってくることにつながっているように思いました。
小説では、静かに内面に怒りを燻らせている男といった印象です。
「自分に対しても同情はない」と言い切るところなどそう感じさせますね。
というわけで、順番にうるさい自分だからこそ生まれた残念感はあるものの、なるほどなあと納得できる読書でありました。
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