この前書いた、続きが心配な本とはこの本です。
「ピートを護らなければ、ピートがいなかったらどうしていいかわからない」というマギーに心が持ってかれて、その後どうしていいかわからなくなりました(まさにマギー状態)。
ここから、マギー同様にパートナーを失ったスコットとの新しい生活が始まるのはわかります。
でもですねえ、最初にここまで盛り上げられたら、逆にたいへんなのでは?という、疑り深い気持ちが働いてしまったのですよ。
でも、「大丈夫」とのお話をいただいたので、休止を解いて後は一気に読みました。
二人の再スタートの痛々しさが、すぐにかけがえのないパートナーとなっていくのは、ひとつの冒険物語でした。
そこにスコットがパートナーを失った事件の真相がからみ、ひとりと一匹で見事に乗り越えたのには胸を打たれます。
ただ、最後は物足りない気がしないでもないです。
オルソとカウリーとのエピソードも欲しいし、ステファニーの件も欲しいです。
特にステファニーの誤解が解けたのか、私はその点がとても気になります(笑)。
私が犬バカでなかったらこんなこと思わなかったのだろうな…と申し訳なく感じるくらいにおもしろい本だったのですけどね。
それにしても、著者はワンコ好きなのでしょうか。
マギーの動作が目に浮かぶようでしたよ。
観察だけじゃ書けないだろうと思うのですが。
でも油断なりません。
あの伊坂幸太郎さんも犬と暮らしたことがないというのですから。
あとがきに、犬の出てくる小説がチョイスされてましたが十傑にはもれているものの、ジョー・R・ランズデールの「ダークライン」も触れられていてうれしくなりました。
ここに出てくる「ナブ狩り」って遊びがとても楽しそうで、想像してはにやついたものです(笑)。
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