拾ってくれたお春ちゃんの病気を治してくれるよう、お伊勢さんにお願いするために旅立った真白の物語。
真白が天真爛漫で、行く先々でかわいがってもらえ、旅を楽しんでいるのでこっちもニコニコになりますよ。
でも、いいことばかりではなく途中で「親分」が襲撃されて突然人間不信になったり、最後に同行してくれた御爺さんが具合が悪くなったのを見て、「神様は信用できない!」と心配したり。
ニコニコ道中ばかりではないところが、真白を立派な大人にしました。
いろんな人と一緒になって、それはその人たちの人生をも変えるような出会いであったり、その出会いがお春ちゃんの病を治す直接の助けになったり、やっぱりお伊勢さんに行ったからこそ、お春ちゃんのためになったのです。
大団円です。
「犬の伊勢参り」という本をたいへんおもしろく読んだので、この世界が小説になったのだと思ったら、つい衝動買いしてしまいました(笑)。
人が犬に願いを込めて送り出したり、伊勢参りの犬だ!と勝手に思い込む人々の、一心な気持ちを目の当たりにできたような、不思議な感じがします。
お伊勢様に犬を送り届ける手助けをすることが人々を幸せな気持ちにしていたのだろうなあ、と。
当初に持たせたお金よりも増えてしまい(お賽銭だよね・笑)首に掛けてるのが重くなると、人が持ってあげるというのも好きですが、道中お産をした犬もいて、産まれた子犬を抱えてあげている人がいた、というエピソードが特に好きです。
真白がまた旅に出たら、そんなエピソードも加わったらいいなと思います。
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