ある夜、自分の名を名乗る男を見たベイジル・ウィリング博士は、彼を追跡しある家の食事会へ紛れ込む。
彼を問い詰めると、説明に入る前に目の前で息を引き取ってしまう。
彼は何者で、何故自分の名前を名乗ったのか?ウィリング博士は警察と協力しながら真相を探るのでした。
やはり結末を言わずしての感想は私には無理なので、以下、折りたたみます。
ご容赦ください。
これも
「あなたは誰?」と同じく、時代を感じます。
犯罪モノを見過ぎているからなのか、なんとなく想像はつくものでした。
安楽死問題でありがちなのは、「殺人なのか尊厳なのか」という、見解の相違ですよね。
でもここでは、安楽死を金儲けとしか考えていないツィンマー医師というのがいたわけです。
財産目当てで叔母の死を望むもの、新たな恋愛のために配偶者の死を望むもの、そこは後ろ暗い理由である意味利害が一致していると言えるかもしれません。
が、不治の病に苦しむ父を安らかに、というパーディダまでをも苦しめるのです。
なんというか、ツィンマーは金のための殺人鬼というか、ここらへんがちょっと違っているような印象でした。
ツィンマーだけでなく、ウィリング博士の知り合いのロザマンドも後から考えると恐ろしいです。
そこに来るはずなどないウィリング博士が登場したことで、完全に興奮してます。
パーディタをツィンマーの悪行に誘き寄せたのも彼女なのですから。
本当に恐ろしいのは、悪行を承知でいた彼らと、ツィンマーのどちらなのかなあと考えさせられもします。
ツィンマーの使用人オットーが檻に何かを突っ込んだところが一番怖かったのは確かですけどね(笑)。
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