気になるお方、菊地成孔さんが「どうかしている映画」としておすすめしていたので。
一応、小説も読んでます。
けど、小説を思い浮かべながら見るものではないですね。
細部忘れているから問題ないですけど。
猫ちゃんに起こされて、深夜にも関わらずお気に入りの缶詰を買いに行ってあげるところ、本編の筋とは特に関連はないのにすごく印象的。
カレー印の缶詰が好きだけどそれがない。
違ったメーカーのを買って帰るが、マーロウは猫を遮断して缶詰と格闘。
何をしているのか?と思ったら、違うメーカーのだから家にあったカレー印の缶詰に詰め替えるという姑息なことをしてました。
案の定、食にうるさい猫ちゃんは騙されず、ぷいっと出て行ってしまいました。
あんなにくっついて歩いているのに、食べないなんて演技もすごいなあと変なところに感心してしまいました。
「留守にするから猫にエサをあげておいて」なんてお隣さんたちに頼んでいるので猫ちゃんとの再会があるのかと思えばそれもなし。
猫の行方に限らず、お隣の半裸の女性たち、間抜けなギャング(セリフもない下っ端役でシュワルツェネッガー発見)、ギャングボスの愛人への暴行等々、伏線か?後々もっと関わってくるのか?と思っていると痛い目みます。
いろんなことが出てくるけれど、それらの終着点がないという、菊地さんのお話を聞いていて本当によかったです。
音楽のことも、同じ曲がアレンジを変えて何度も流れるというのを知らなければ聞き流していたかも(音楽に疎いし、字幕読むのにエネルギー使ってるし)。
これもどうかしている感を大きく物語るひとつですよね。
当然のようにラストの違いに賛否両論のようですが、この全体の流れを見ればラストはあれしか有り得ないように思います。
タイトルにつけた「犬、自由すぎ」ですが。
ティファナの町で、自由に歩き回り道に寝そべる、車を止めるなんてお手の物です。
そんな自然なところを撮影したのでしょうが、ひとつ「それは?…」と思うようなシーンまで…。
焦点合わせて寄ったりして、必要なのか…?ラッキー!と思ったのか…?
これも「どうかしている」ところのひとつなのでしょうか。
最もお気に入りの自由な犬たちのシーンは、臭い嗅いでいて動かない犬にマーロウが「どけどけ~っ!」とばかりにクラクションを鳴らすのですがそれでも動かない。
その様子を見ながら、車と犬の前を横切るワンコ、最高です。
このワンコ、道を渡り切ると振り返って車と犬の様子をうかがっているのですよ。
すばらしい野次馬ぶりでした。
ネタバレじゃなくて、ポイントを教えてもらうという見方も、楽しいなあと実感いたしました。