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ささくれた日々

海外ドラマ、映画、本等の偏愛感想。ネタバレの配慮はあまりされていませんのでご注意を。

   

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5月のまとめ

小説2冊はきつかった。
「コリーニ事件」は、読み口はすいすいとしているのに流れるテーマは重すぎ。
でも読んでよかったと思えるので、「罪悪」や「犯罪」を読んだ方なら大丈夫です。
「猫鳴り」は、うっかりすると老猫と老人の最期の日々を涙して終わりになってしまいそうだけれど、本当に読むべきはそこではないと感じた。
捨てられても捨てられても信枝のもとにやって来るモン。
赤ちゃんを産めなかった信枝が、事実を受け止められるようになるのを身を挺して待っていた。
それは自分を拾えというよりも、信枝が壊れてしまわないよう、自分は身代わりだってかまわないよ、あなたのためならとも言っているよう。
水しか口にしないのに、一ヶ月以上も藤治と生きたモン。
20歳になろうというモン自らはもう旅立つ準備はできている。
でも、藤治がまだ老猫は旅立つという自然の流れを受け止められないでいる。
モンは黙ってそれを待っていた。
自然なこと、モンが苦しんでいるようには見えない、そういう獣医師の言葉を受けてからの藤治の悟ったような接し方と、モンが静かに弱っていく様子は「ああ、そういうことだったのだな」と。
犬も猫も、ペットたちは飼い主のことを、人のそれとは別の意味で気遣っているのだなと思わずにはいられなかった。
なんだ、結局自分のワンコのことを頭に浮かべて酔ってるじゃん、私…。

「かくかくしかじか」は勢いにのって2巻も買ってしまった。
全然読んだことなかったのだけれど、萩尾望都さんがご自身の対談本で、たいへんにお気に入りだったのが気になり読みましたよ。
そしたら、わけわからんエネルギーにやられました。
対談の中で、女版まんが道であるとおっしゃっていたので見届けてみたいなと思いましたよ。
東村さんを代表するまんが、ひとつも読んでないのに生意気だけど。


2013年5月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1590ページ
ナイス数:25ナイス

かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)かくかくしかじか 1 (愛蔵版コミックス)感想
あまり気にしてないお方だったのですが、対談本で萩尾望都さんがたいそうお褒めだったもので。何か引き込まれるエネルギーを放つ、女まんが道だ。
読了日:5月29日 著者:東村 アキコ
猫鳴り (双葉文庫)猫鳴り (双葉文庫)感想
自分を受け入れる準備ができることを待っていてくれるモン。そうやって読むとものすごく心を打たれるのですが、そうすると第二部が一冊ものとしては俄然弱くなってしまう。でも私は「待っていてくれるモン」として読みたい(笑)。
読了日:5月29日 著者:沼田 まほかる
泡沫日記泡沫日記感想
自分もいろいろ迎えるであろう初体験。久しぶりに酒井さんの本を読みましたが共感する部分が多くてびっくり。
読了日:5月26日 著者:酒井 順子
プロ野球 もうひとつの攻防  角川SSC新書  「選手vsフロント」の現場プロ野球 もうひとつの攻防 角川SSC新書 「選手vsフロント」の現場
読了日:5月19日 著者:井昆 重慶
コリーニ事件コリーニ事件感想
とても読みやすいのに、とても重い問題を孕んでいます。
読了日:5月18日 著者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
ひとり暮らしな日々。ひとり暮らしな日々。感想
だめだめひとり暮らしを期待していたので、たくましくしっかりした生活感に妙な肩透かし(笑)。
読了日:5月15日 著者:たかぎ なおこ
トルコで私も考えた トルコ21世紀編 (集英社文庫―コミック版)トルコで私も考えた トルコ21世紀編 (集英社文庫―コミック版)感想
トルコは興味のある国なのですが、ナスはいただけない。しかも日本のよりでかいなんて(笑)。
読了日:5月8日 著者:高橋 由佳利
ザ・万字固めザ・万字固め感想
瓢箪(笑)。台湾のみなさまの歓待ぶりが実に真面目で微笑ましくさえある。そして、結構なヤケドをされていたのですねえ。
読了日:5月5日 著者:万城目学

読書メーター

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THE BRIDGE #9「犯人の素顔」

ごめん、サーガ。
前回、情緒が欠落しているなんて言って。
仲間を褒めるのは大切と聞けばそれを聞き流さずにグッドタイミングで言えるし(棒読み気味だったけど)、上司の異動の報に思わずこぼれ出たものは血の通った人以外の何物でもありませんよ。
欠落しているのではなく、壁が異常に高いからなかなか感情が見えないってことなのでしょうか。
仲間は「そういう人」サーガに合せてきたわけで、デンマーク警察のマーティンはそんなチームに新風を吹き込んでくれたわけですね。
だから上司(=お母さん)は、自分の異動報告について「サーガが何か話すとすれば君だと思うから」とマーティンに告げたのですね。
そんな、サーガの成長に重要な役割を果たしているマーティンがこの事件の元凶だったなんて!
事件関係者と簡単に寝てしまう、三度目の結婚で子どもは五人、パイプカットの手術をしたとか、全部伏線だったのか!
妻子の事故死で身辺整理を始めたイエンスは、妻の日記でマーティンが相手だったことを知り今回の計画をスタート。
事故関係者を順々に殺し、最後に張本人であるマーティンを苦しめるのが本当の目的。
社会的不平等を訴えるとか、どうでもよかったのかしら。
大切だった息子を奪われる想いを味あわせるためにアウグストを捕えることが最終目的だったようです。
ということは…仕事の面接に行ったり少しだけ前向きになってきたのに不憫です。
まだ決定ではありませんけれども、だめだめな人が前向きになった時って危ないじゃないですか(ウォーキング・デッドのメルルとか)。
イエンスとその妻との関係を知られたくないというマーティンの言葉を受け止めて報告しないサーガはとっても苦しいと思う。
まして、自分が信じたようにイエンスとマーティンの過去が事件の鍵であるわけだから。

最終話、もう放送済みですね。
しかし、私は金曜夜の放送を録画しているのでもうちょっとおあずけです。
もう犯人はイエンスで決まりでどんでん返しはないでしょう。
最後は、撃たれたサーガ、連れ去られたアウグスト奪還作戦、ちょっと派手な展開になりそうな予感です。

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第一部、つらすぎる…「猫鳴り」 沼田まほかる



第三部の、老いた飼い主と老猫モンの話は、飼い犬・猫を看取った経験のある方ならこみあげてくるものがあって当然。
治療に逡巡する様、もう力もなくなってきているのに、名前を呼ぶと顔を上げ、それさえもできなくなると尻尾で応える、そんなところは自分にもあったあの日を思い出させる。
果物籠に入れて揺らしてやると喜ぶのとか、読む人をきゅ~っとさせすぎだ…。

でもこの本から感じるのはそれ以外の方が強い。
第一部で捨てられた赤ちゃん猫モンが中年夫婦の家にやってくるのだが、力なく鳴いていても、傷を負っていても、信枝はモンを捨てることしか考えない。
自分が手当をしてあげても、それでも捨てたい。
そこにはようやく授かった子どもを流産してしまったことが大きく影響しているのもわかる。
亡くした子どもの代わりに赤ちゃん猫を迎えるという図式が信枝には負担な時期だった。
しかし、「いっそ飼おうと言ってくれればいいのに」と夫の藤治に期待してみたり、捨て方や保護の仕方には嫌悪するものの、本当は信枝がどうしたいのかが伝わってくるような気がした。

第三部は、信枝に先立たれた老人藤治と老猫モンの最期。
若き獣医師が「自然なこと」と言うのを聞いて藤治はそれを支えにモンと暮らす。
何も食べずに水だけで一ヶ月以上も寝たり起きたりのモン。
それは捨てられても捨てられても信枝の家に戻ってきたのと同じだと思う。
信枝と藤治が自分を受け入れられるようになるのをモンは待っていたのだと思う。
そう気付いた時に何か見えない手で胸元を握りしめられたような、そんな感じがした。

ただそう思ってしまうと、第二部だけ異質なのですよね。
直接にモンが行雄を待っていてくれたわけではないし。
信枝が暗く深い闇を抱えていたのと、行雄のブラックホールは同じ意味だとは思うが、モンが心の準備を待っていてくれる話として読みたい私にはちょっと異質、というだけのことできらいなエピソードではない。

怪我してる子猫を捨てる、老猫のヨダレを疎ましく思う、人間の子どもを痛めつけてやりたい、そんな闇の部分がこれでもかと書かれている分、それぞれが迎え入れられたことが愛おしいのだと思う。
人や生き物に対して愛おしい気持ちがなければこんなネガティブなことは書けないだろうなとも思う。
それは私がジャック・ケッチャムを本当はいい人だと信じるのと同じかもしれない。
万人にはお勧めしないけれど、ケッチャムに対して同意見の方なら是非(笑)。

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THE BRIDGE ~#8「新たな手がかり」

なかなかテレビが見られないでいましたが、最終回接近に合せてなんとか追いつけそうです。

クライマックスが近づいてきた感、きましたね~。
残りの話数からアンダーソンは真犯人ではないと見当つきますが、他の犯罪に手を染めていたわけですね。
それにしても仲間との連係プレー、見事でした。
一回死を覚悟して人が変わったダニエルも、記者魂のせいで命を落とし…っていうか迂闊だよ!
あんた、最初に犯人から車でどんな目に遭わされたのか忘れちゃったの?
このダニエルの死で犯人が全てを終えたとは思えず、サーガは次なる動きがあるはずと予測。
警察の人間(元も含む)というのは説得力あります。
それもデンマーク警察の人間というのも。
だからビャアンが捕らわれていた時の追跡で、スウェーデンの特殊部隊の人は殺されたけれど、マーティンは無事だったのかも。
もしかすると「ダニエル殺しで終わるとは思えない」というのも裏付けてる?
自殺で処理されたマーティンの元同僚イェンスの5年をかけての最終目的がマーティンだった!なんてこともあり得るかも。
3年前に犯行声明を吹き込まされた人の告白があったけど、3年どころじゃなく5年も!
とにかく、あと2話で大きく動きそうですね。

事件も、サーガという人も、たいへんに気になるものとなってまいりました。
最初は鬱陶しい女と思ったサーガ、ここへきてかわいらしくさえなってます。
情緒が欠落していることを差し引いても、この大事件は彼女に大きなストレスとなっているらしく暴走気味じゃありませんか?
仲間の休憩時間に割り込んで「日常会話をしなきゃ!」というどこかからの指令が「今朝生理がきた」という突拍子もない話題を生んだのですよね。
誰も食いつかないけど。
マーティンの息子、アウグストを部屋に泊めたことの説明も、みんながいる捜査の話の時じゃなくてもいいでしょうに。
さすがにあの優しい上司も「マーティンに説明した方がいい」の言葉を後悔した風でしたよね。
この上司の人、上司というよりサーガのお母さんですよね。
お母さんもびっくりな、娘サーガの言動がかわいくてなりません(でも30歳代後半)。

こんな奔放で、人前でも死体写真を平気で見る女、一夜の過ちとして逃げ出すのがふつうだろうに、サーガをもっと知りたいというアントンも奇特な人です。
「やさしそうな人じゃないか」というマーティンの言葉は真意だと思います。

あと2話、事件の深淵も興味深く、同時にサーガが着替えるのか?というのも気掛かりのひとつ。
彼女が服(というか脇のあたり)の臭いを嗅ぐ姿が妙に好き♪

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続編も見たい「実験刑事トトリ」

 

珍しく見届けた日本ドラマ、「実験刑事トトリ」のDVD & Blue-ray のBOXが発売になったのですね。
見届けたといっても全5話なのですけども。
著名な動物学者トトリが警視庁の中途採用試験に応募し見事に合格、43歳の新人刑事として28歳の先輩刑事安永と共に得意の実験を駆使して完全犯罪に挑む、そんなドラマです。
ある脳科学者の方っ!モンタルバーノではなく、このドラマこそコロンボ風の倒叙ミステリです!
シリアスではなくてコメディタッチで、会話の楽しさはもちろん、実験に没頭するトトリはまるっきりの変人で、実験の真意に置いてけぼりの安永の不安定さがとっても愉快でした。
二人の上司もすっとぼけているのですが、安永を操縦する技は実に見事です。
いい加減な対処が安永にはわからない、ここはもう様式美とさえいえると思います。
シリアスものの三上さんは私にはヘビーだったのですが、トトリはすっごくツボでもっと見たいですよ。
最終話に出てきた学者時代の教え子羊田くんと安永による、トトリの取り合いもいい感じだったので続編をかなり期待しているのですけれど。
続きがあるかどうかは、このBOXの売れ行き次第!なんて、ジーヴスみたいなことないでしょうね?

ジーヴスのDVD、vol.2の発売は決まっているけれど、vol.3以降はvol.1の売れ行きにかかっているらしいのです。
この前は「続きは保留」なんて書いたけれど、見ます!買います!
なのでまだジーヴスをご存じない方も、一度ご覧になることをおすすめします。
私と喜ぶポイントを共有していただける方なら、絶対に楽しめますっ!


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