屋敷を買い取った女性コーラが、元の家主の死体を発見したと通報。
現場のブラックスミス巡査によると、この屋敷はかつて学校でコーラが買い取って土地開発のために解体することになっていたという。
現場に居合わせた庭師のハリーが血のついたシャツを着ていたことから拘束されるが、彼は学校に通ったことがないという「だんまり君」だった。
元学校だったという屋敷の実体は孤児院だった。
しかも運営に携わっていた大人たちにはお気に入りの子が存在して…というものでした。
ブラックスミス巡査も、コーラも、ハリーもこの施設で育ち、つらい思いをしてきたのでした。
されたことの口外を禁じられたため、ハリーはしゃべることを拒否し、
コーラは土地開発の波に乗って過去を葬り去ろうとしたのですね。
元家主であるピーチメントは、そんな彼らの傷口をえぐるようなことをしたのだもの。
こんなにかわいい名前なのに、あの非道っぷり(笑)。
ハリーの感情の爆発を誰が止めることができましょう。
巡査たちは証言しない、事件としては成立しない、警察の上層部と理由は違うものの警部の選んだことは同じという皮肉な結末です。
今回驚きだったのは、コーラの前科。
どんな罪状かと思ったら、自殺未遂ですよ。
1961年までは自殺法というものがあって、未遂者には刑が科せられたのですね。
コーラも刑務所に入っていたとか。
絶望から選んだ道に失敗したら、さらなる仕打ちが待っているとは。
必要なものは罰ではなく、ケアだろうに。
宗教観からくるものなのでしょうか。
児童虐待という重苦しい話題でしたが、
バッカスの燃え出すライバル心や、思いやりの心が美しかったです。
警部が現場の様子をブラックスミスに聞くことが面白くなく、
睨んでみたり、会話に横入りしてみたり。
警部も、わざとだよね(笑)。
警官になりたい少年へも、鬱陶しがっていたのにその心根や親の態度に接して変わっていきましたよね。
ここらへんが、「打てば響く」と警部がバッカスをかわいがる理由なのかもしれません。
…警部、かわいがってますよね?
地下室での真相を巡査とコーラが語った後、掘り返した床を埋めてる姿も彼らしいと思えました。
すごかったのは、捜査に横槍を入れてきた義父に警部が呼び出された後「ジジイはなんて?」ですよ、ジジイですよ。
このジジイが、娘と婿の家庭へ金銭的援助を止めたから金回りが苦しいのかもしれない(笑)。
警部、結婚を約束した医学生の恋人がいたのですね。
それなのに、戦地に赴いたら違う人を奥さんとして連れ帰ってきたとは。
これまで、女性のお誘いをジェントルマンにかわしてたのに、結構な過去をお持ちだったのですね(笑)。
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COMMENT
無題
>バッカスの燃え出すライバル心や、思いやりの心が美しかったです
対抗心メラメラでしたね~。こういう感情がすぐ出てわかりやすいところが好きだったりします。
対してブラックスミス巡査はな無表情ゆえ、痛ましい過去を抱えているとは想像もつきませんでした。きっと辛い思いに耐え続けてきたゆえ、冷静さを保てるようになったのかなと深読みしてしまいました。
警部、医学生との過去はちょっとショックでした。(笑)若気の至りだったのかしら。
Re:さとうさんたさん
ブラックスミス巡査を横目で見ながら「調べますっ!」とか(笑)。
感情表現の素直なところが彼の魅力ですかね。
孤児院の過去は心が痛すぎます。
巡査の冷静さは、だんまり君になってしまった彼と同じ理由なのかもしれませんね。
そう考えると、まだまだ懲りてないピーチメントの面の皮の厚さが憎憎しかったです。
警部の過去は、びっくりどっきりでしたね。
小児科医の彼女も恨んでいないらしきところは、ひどいことがあってもジェントルマンな警部を物語っているのでしょうか。