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ささくれた日々

海外ドラマ、映画、本等の偏愛感想。ネタバレの配慮はあまりされていませんのでご注意を。

   
カテゴリー「The Wire」の記事一覧

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The Wire5 #10「了」 -30-

上層部の知るところとなった捏造は、みんなの利益を守るために隠蔽。
捏造に聞く耳を持たなかった上層部は、告発者を左遷。
現実の落ち着く先は決まっているのだということを改めて教えられた気分。
ぬけぬけと面通しに来たスコットに「お前も俺も最低、だけど俺には理由があった」と言い放ったマクノルティを、最後まで見た今となっては抱きしめてやりたい。
でもビーディーがいるからいい(笑)。
市長、知事、警察長、ストリート、それぞれトップが変わってもこれからも同じことが繰り返されていく、それを見つめるラストのマクノルティのシーンにはぐっときた。
これまで舞台となった団地が、港が、ストリートが次々に映され、みんなの「今」が見えてくる。
そうやって続くこの町で、マクノルティが選んだのは正しくあろうということだったのでしょう(施設に送り込んだホームレスを迎えに行くなんて泣けてきた)。
それなのにスコットは平然と賞を受け取るのだな。

バブルスが妹と食卓を囲めるなど、幸せな展開もあるけれど、ドゥーキーとマイケルにはショックが大きい。
ドゥーキーはプレッツ先生のくれた最後のチャンスを自分で離してしまったのですよ。
「これがウソだったらもう会うことない、荷物を取ってくる」は、ウソであったら立ち去ることを願っていたのでしょうに。
そうしたら今度はプレッツさんがドゥーキーを捜したかもしれないのに。
マイケルはオマーの道を辿るように、マルロの金庫番から金をいただいてましたね、いつの間にやら子分も連れて。
でも、あれはオマーだからできたこと、マイケルの辿る道とはとうてい思えない。
ボクシングジムを頼りたまえ!

マイケルがオマーなら、ドゥーキーはバブルス、フレッチャーはガスさん、シドナーはマクノルティかフリーマン、キーマはマクノルティ、といった感じで望む望まざるに関わらず轍を歩んでいくのだなあ。

ラストのマクノルティのシーンなみに次々に想いが浮かんできていつも以上に散漫。
不起訴の条件で引退したマルロが、一時期でも牛耳っていたはずの自分ではなくてオマーが伝説となっていることに腹立たしげな姿がよかったです。
オマーの望んだかたちではなくても復讐は遂げられたのだな、と。
ハークは得しすぎじゃないのか?っていうか、レヴィは全部承知でハークの働きを評価している気がする。
新市長はいい警察長つかまえたね、
フリーマンはシャーディーンと結婚したのか、
あんなに楽しそうな送別会(刑事としての葬式?)とは、マクノルティは愛されていたのだな、間違ったことをしたけれどこれは正解だったのだな、キーマの密告を含めて。
そんな思いが渦巻く最終回。

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The Wire5 #9「最終版」 Late Editions

マルロ組一斉検挙。
これまでとは明らかに違う位置指定の暗号を傍受し、大きな仕入れの時がきたとにらんだフリーマンの読みが的中。
マルロたちは「どうやって漏れたのか?」で疑心暗鬼。
最初に入れられていたところ、ジャデイロ警部補言うところの「金魚鉢、反省するところ」ですよね?
それなのに内通者は誰なのか?しか話してないよ。
で、推測として数日前に警察に連れて行かれたマイケルが疑われるわけですが、クリスは「恩を売ってあるのでそんなはずはない」。
でもみんなには「文句の多い子ども」でしかなく、スヌープの決断は(指示じゃないよね?彼女が決めた風に思える)マイケルを消すこと。
しかしマイケルも命令された殺しがどこかへんなのは承知で、返り討ち。
ああ、なんてこと。例え相手がギャングでもこれで本当の犯罪者。
あんなに小さいのに理屈じゃなくてこの別れの意味を感じているバグも切ない。
ランディは施設で荒み、ドゥーキーは廃品回収さんに弟子入り、ネイモンドは問題児学級にいたのに堂々としたスピーチ(血縁よりも大切なものがあるのだな…)、あの夏休みの彼らに戻してあげたい。ネイモンドは今のほうが絶対にいいのはわかってるけれど、バカな遊びに真剣だったあの時はみんな一緒だったもの。
マイケルはあの夏を忘れてなんかいない。それはドゥーキーにだって通じたはず。

麻薬ギャングの大きな逮捕劇に注目が集まったものの、実態のないホームレス殺人事件の捜査も続く。
マクノルティは困っているが、マルロ逮捕に興奮気味のフリーマンは感じてあげられない。
マクノルティが困っているのはわかりながらもダニエルズに報告せずにはいられないキーマの気持ちもわかる。
むしろ、逮捕まで待ってくれたのは温情だと思う。
嫌いというわけではなく、基本反りの合わないマクノルティにダニエルズはどう対処するのだろうか。

新聞社のガスさんは、ロンドンから戻った信じられる記者仲間に「先入観なしでスコットの記事を読んで欲しい」と依頼。
自分は自分で元軍人ホームレスの話題の裏付けに病院へ、ダニエルズの苦情の裏取り会食、もうスコットは何度も捏造記事を書いているのだと確信してますね。
自分も属する会社だけに告発すればそれでいいという問題でもないのが頭痛のタネ。
でもガスさんの足取りを見られたのはたいへんにうれしい。

バブルス、依存症の会でクスリ絶ち日数の記念スピーチ。
小ざっぱりして今が一番安定している状態のようだ。
後見人も仲間も捕まらなかった時にもクスリの誘惑に負けなかったことを告白できたのは誇らしいこと。
シェロッドへの負い目がそうさせたのだとしても。
妹は記念スピーチに来てはくれなかったけれど、この前よりも態度が軟化しているようだったのでもう少しすれば…変化に気付いていないはずはないもの。
HIV陰性とわかったり、隔離状態とはいえ住まいもあり、人のためにも働いている、すべてがかみ合ってそういう時期だったのかもしれないけれど、ガスさんが記者を張りつかせてくれたくれたことも大きいと思う。って、何でもガスさん贔屓してるね、私。

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The Wire5 #8(58)「解明」 Clarifications

順調なウソと、露見しつつあるウソ、どっちがいいかね…。
一見順調なマクノルティも「あいつに頼めば何とかなる、何か企んでいるに決まってるし」と脅迫めいた悪用に使う輩が出現。
マルロ逮捕を最終目標にしているために、今は甘んじて受け入れるしかないマクノルティ、でっち上げを始めたころとは別の意味でいっぱいいっぱいだ。
FBIのプロファイリングに合致する人物を探すために時間を割くキーマ、家庭の危機に直面しているビーディに、今ボルチモアの重大関心ごとがでっち上げであることを告白。
二人ともシャッター下ろしましたね(まだわからんけど)。
でも「もう少し」だから止めるわけにはいかない。
今回見ていて思ったのだけれど、マクノルティのでっち上げは例え上層部や市長の知るところとなっても隠蔽される可能性高いですよね。
カルケティの知事選出馬にはそういう意味もあったのかな?と。

もう一方のスコットはもうダメですね。
帰還兵のホームレスが記事のでたらめさに苦情を申し立てるし、市長の集会でもまたもや匿名女性ホームレスの談話を引用。
ガスさんの確信はルイス刑事のそれだった(しつこいね、私)。
個人攻撃ではない、新聞社の方針に訴えかけた態度には惚れ直す。
私、取材した帰還兵の記事はスコットが心を入れ替え始めたのだとばかり思ってたけれど、これも捏造だったのか。
ある意味才能。記者でなければ成功するんじゃないの?

あえて最初に書けないくらいにショックなオマーの最期。
足を引きずりながら歩いているだけで、みんなが蜘蛛の子を散らすように逃げていくのに、あんなチビスケに頭を撃ち抜かれるとは。
ブッチーの仇討はどうなるのさっ!
オマーのこと、かなり好きだった。
決して一般人には手を出さない、悪行で潤ってる相手からしか盗らないポリシーも、おばあちゃんを心配させないため&絶対に来ない場所だからと空港で働いているという気遣い、変な言葉だけどあの世界の良心だったと思う。
寸劇強盗、好きだったなあ…。
ポケットに入っていたマルロ組のリストがチーズとモンクの役割を裏付ける手がかりになっていたみたいなのはお手柄と言ってあげたい。
ラスト、遺体安置所で間違えられていた名札がちゃんとオマーの元へと戻されたのは、マクノルティがウソで勝ち取った予算のおかげだと思って見送ってあげたいと思います(泣)。

ちゃんとした記者のちゃんとした取材がバブルスにつくようです。
バブルスにはそういう他所からの目が必要だった気がする。
お久しぶりのプートは靴屋の店員。
すっかり落ち着いて職探し中のドゥーキーに、年齢さえクリアしてれば応援するような言葉が出て頼もしい。
ボーディがただ殺されただけではなかったことにうっすら涙。

シドナーは時計の暗号の意味を解いた(プレッツさんの登場を期待したけど・笑)、クリスの指紋が出た(これも予算のおかげ)、と話が大きく動かないわけがありませんね。
良くも悪くも決着が近づいてきているのだな…。


それにしても、FBIのプロファイリング、かなり正確だよね(笑)。


余談。
Dennis Lehane。
レヘイン、ルヘインに続く第三の読み方「リーヘン」登場(スパドラのエピガイ欄)。
気付いてなかったけれど、前からだわ。
別人かと思って調べたけど、どうやら同一人物(笑)。

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The Wire5 #7(57)「騙し」 Took

マクノルティはフリーマンの台本でホームレス連続殺人犯になりすまし、サン紙のスコットに「もう死体は見つからない、犠牲者の画像だけ送ってやる」と電話する。
「あの男だ!」と色めき立つスコット、脅迫電話への騒動に「何事?」顔のマクノルティ。
どうやって終わりを迎えるのか怖いですわ。
たった一夜の取材なのに自分に酔ったかのような記事、しかし今かかってきた電話にしどろもどろのスコット、過去の記事に対しても穏やかならざる気持ちを持ち続けるガスさんには味方が現れたけれど、マクノルティのウソに振り回されている警察にはガスさん的人がいない。
みんなで振り回され、予算と人員配置がマクノルティの気持ち次第。
本当の事件がもう少しなのに人手と車をとられた刑事に、事件番号はホームレス殺人で本当の事件の捜査を続けるよう話をつける。
「マクノルティに頼めばなんとかなる」と口コミで広がり、今やマクノルティはボス。
本当の事件に人と予算が使えているのは確かだけど、毟り取った方法が問題だ。
すでに教師を解雇して予算を補う案が浮上している。
活気があるけれどなんだかなあ…な警察。
招集に応じないことで意思表示するしかないバンクも見ている分には面白いのだけれど。
想像以上の大事になってマクノルティは確かに困っている。でもうれしくもある。でもやっぱり困っている。
ウソが被害者家族の気持ちを必要以上に傷つけ、聞き込みに回されたキーマも心が荒れている。
欲しかったのは本当の事件の捜査で、それを手に入れかけたとはいえ、罪が大きすぎはしないか…?
今の特権を利用して早くマルロを捕まえてしまえば済むのだろうけれど。
しかし、すべてが明らかになれば違法捜査で信用性なしで野放しだよね。
それならオマーに力を貸してあげた方がいろんな意味で確実だ(笑)。
たった一人でのマルロあぶり出し作戦は惚れ惚れする。

マンチ、いましたね。
「昔バーを経営していた」とバーテンに話す後ろを元ルイス刑事のガスさんが通るという、不思議な感覚。
この時だけあそこはウォーターフロントだったと思う。

明るい話題は、バブルスが表情も明るく給仕係をしていたところ。
取材に来た記者に対しても紳士だったし。
キーマがかつてのマクノルティと同じ道を歩んでいるのも明るい話題に含めていいだろうか(笑)。

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The Wire5 #6(56)「ディケンズ的視点」 The Dickensian Aspect

ホンモノの嘘つきは平然としている。
スコットはホームレス殺人犯が接触してきた記者として全国版ニュースに出演し「怖くないね、記者なら覚悟のこと」などとぬかす。
でも犬は怖い(笑)。
ホームレスの生活取材、言うだけで携帯の電源切って家で寝ると思ってたけど、本当に行きましたね。これは意外。
その時の海兵隊員への取材が「いい記事」とガスさんに褒められたのも。
文才はあるのかもしれないからこれで取材の楽しさがわかってくれれば、今後ガスさんが指揮する若手チームに入れてやってもいいよ(笑)。

「ジョーは残念」と平然と言うマルロ。
「得をした人間がジョーを殺した」と誰もが予想する中、全くそのとおりであるのに悪びれること一切なし。
それどころか「組合はいらないけど自分が仕切って当然、ブツの値上げも当然」ときた。
真相に察しがついているのだからみんな、オマーに協力してよ!
オマーはいらないって言うだろうけどさ。
オマーの、ひとりで治療して、ひとりでマルロを誘き出そうとする姿が勇ましくて美しい。
あのクリスが焦っている姿は意外なので、つけ込むなら今が狙い時かも。
でも骨折中…。

ホームレス殺人事件が大騒動になってしまったので、死体が発見されるとあっという間に警官が集まってしまいマクノルティは細工ができない(笑)。
ふらふらしている人を見つけて自分で作ってしまうのか?と心配したら、犯人は死体を残さないで映像だけを新聞社に送るという作戦を編み出したようだ。
用を済ませたらボルチモアから姿を消してもらうために他州の施設に送り届けた彼を見つめるマクノルティは目覚めてくれたのかな。
それとも後戻りできない自分を見つけたってことかな。
「受け入れられなくても理解できる」というフリーマンの言葉が全てだ。
警察官としてマクノルティとフリーマンがやってることは到底受け入れられないが、予算も人員もないからの苦肉の策であることだけはわかる。
でも着地点は見たくない気がする。

前回の最後で会話を盗聴しているはずなのに雑音しか聞こえなかったのは、画像受信だったからなのですね。
通話は聞かれてしまうけれど画像での取引なら見られる心配ない、と。
警察の予算不足を熟知していらっしゃいますね。
事件性を作ってようやくわずかながらの人員と予算を手に入れても追いつかない。
だからホームレス殺人犯に死体を出さずに画像だけを送るシナリオにしたのですね。
予算は出そうにないけど。

バンクはできることを地道に重ね始めました。
こんなに正しい姿は記憶にない。
マルロへとつなげるために、マイケルの弟の父親殺し、ランディの聞いた公園殺人、に狙いを定めました。
しかし、この一年でランディはグループホームで生き残る術として自分をガードすることを身に着けてしまったらしく、脅されてもバンクにも心を開かないですよ。
それにしても、大きくなりました。

市長の港湾開発のテープカット時に、野次を飛ばして拘束されたのはニックでしたか?
こうやって今までの登場人物たちがちらりちらりと姿を見せるのには最後のシーズンなのだな…と思い知らされます。

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