パーティーグッズ店を経営している姉妹の妹、ポーリーンが誘拐された。身代金が3万ポンドという無理の少ない金額であることから、姉妹に近い存在の者が絡んでいる可能性をフロスト警部は推理する。
ポーリーンとリンダを乗せた車の前を消防車が走っていくのは、たまたまそういう演出だと思った。そしたら、直前の警部の料理が伏線じゃないですか。料理中に電話がかかってきた時は「おいおい、警察官の家で火事はいかんよ」と思ったのに、迂闊でした。そういえば、電話切った後にフライ鍋がアップになってたなあ。火事の報に駆けつけ、焼ける家を見る警部にかぶせた音楽は狙いすぎていてコントのようだった(笑)。そう考えると、20年ぶりの健康診断も伏線だったのかも。問題なし=自分で料理をしている、という。でも料理しなれてたら火の不始末は…(笑)。
事件の筋は、恋人のことで姉と険悪な状態だが、誕生日には飼いたがっていたラブラドールをプレゼントしたいポーリーンが、掃除にきているリンダから「子犬が手に入る」と聞かされ、出かけていったらそのまま誘拐されたというもの。
犯人グループ(二人だけど)のリーダーグレアムが、「華麗なるペテン師たち」でダニーのMarc Warren。これを足がかりに犯罪の世界に染まったのかと思わせたが、ろくでなしの親に育てられて心を壊した青年でありました。オープニングで、ラブラドールの子犬をジャケットのファスナー開けて出したのを見た時はこの前の「ペテン師」での、植物を愛でる青年ダニーと重なったのに(笑)。でも、イギリスでブリーダーしていることと、ろくでなしが結びつかないなあ。肝心なのはグレアムがそう感じてしまった、ということだけど。若くして副主任、そしてあだ名が「社長(=嫌われ者)」というところに親を反面教師にしすぎて暴走してしまった心理がうかがえるような気がする。警部に対決を挑んでいたけれど、体力勝負の対決だったのが肩透かしでもあった。
それにしても、副主任なのにグレアムはまめだったなあ。仕事場離れすぎてることを誰も追及しなかったのかな。「社長」だからいいのか(笑)。
ポーリーンの恋人カールが、金貸しで奥さんと離婚したばかり、身代金を渡すことに積極的、誘拐後も別の女性と会っていた、と彼も犯行グループの一員と疑わせておいて、彼はただのダメ男でした。会ってた女性というのが元妻で、ポーリーンの身代金の金策をもちかけてたというところにもダメ男ぶりが激しくうかがえる(笑)。でも人間らしい心の持ち主であったようで、今度こそポーリーンとカール、そしてお姉さんの三人は家族になれるのかも。
子犬ちゃんが脱走してポーリーンの居場所が明らかになるという、子犬ちゃん活躍を妄想したのに、実際は迂闊娘リンダを警部が尾行して子犬ちゃんの死体を見つけ、誘拐の痕跡を嗅ぐというものでした。ポーリーンを移動させるためだけなら殺す必要ないのに。これも親を憎む心のあらわれなのでしょうか。ところで、あれニセモノですよね。子犬ちゃんは眠らせるために思いっきり遊んだら、お腹が激しく上下しますものね。
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COMMENT
無題
留置場で暮らし始めるフロスト警部、最高ですよね(笑)
あんな脂っこい食生活で健康維持できるなんてうらやましいです。
ペテン師のダニーがいまだにどうしても好きになれない理由がこのエピソードのせいなんですよ。初めて見たのが子犬殺しの役じゃ悪いイメージひきずって当然です^^;
このへんからわりと重い結末が増えてくるんですが、同時にお笑いどころも多くなって、見応えのあるエピソードがたくさんありますよ〜♪
Re:Ayanoさん
>あんな脂っこい食生活で健康維持できるなんて
ポテトフライに、肉焼いてましたものね(しかも一人分には多すぎ)。
強靭な肉体が食生活に勝っているということを言いたかったのでしょうか。
>ペテン師のダニー
子犬殺しだし、心を病んでいるらしいですけど警部への挑戦も啖呵切ったわりにはしょぼかったり(笑)、犯人像としてはちょっと定まりにくいものだった感じもしますね。
私は先に知ったのがペテン師のダニーなので、子犬を懐から出したところで好印象をもってしまい、失敗しました(笑)。