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ささくれた日々

海外ドラマ、映画、本等の偏愛感想。ネタバレの配慮はあまりされていませんのでご注意を。

   

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シャーロック2(終)

ベルグレービアの醜聞
アイリーン・アドラーは唯一ホームズに完遂させなかった人として、敬意と舌打ちを込めて「あの女」と呼ばれるのです。
なのであの結末は私にはショッキング。
あれでは同志では?
それじゃジョンがかわいそう…と思いましたよ。

バスカヴィルの犬(ハウンド)
第1話で「ジョンがかわいそう…」と思ったら、早速それに回答が!
「僕には友だちはいない、一人だけだ」って!
ここ、言葉的には「友」たちはいない、いるのは「友」だけだ、らしいのですけど、確かに。
友情を確認し合うすばらしい言葉が、日本語訳では微妙に愛情入ってません?
私にだけそう聞こえたのかしら?
このエピソードで不満なのは、モーティマー先生が女性なうえに犬を連れていないってこと(笑)。

ライヘンバッハ・ヒーロー
原作の「最後の事件」ベースとのことなので、シャーロックが姿を消すことになる(=ジョンが哀しむ)のは覚悟していましたが…。
原作は、滝壺に落ちたかもしれない!→捜索しても見つからない!→ホームズ死亡!なわけですが、今のロンドンで落ちた直後に身を隠すなど無理でしょ?
一体どうするのさ?と思ったら…
これは…きっと病院の屋上から落ちたということ、モリーに会いに行ったことがヒントなのでしょ?
ジョンからは地面にたたきつけられた瞬間は見えていないわけなので、その間に何か仕掛けがあったのでしょ?
ジョンが自転車とぶつかったのも作戦かもしれないぞ。
脈をとることまで想定済みで、あれはシャーロック本人だったのでしょうが、その後にわらわら群がった病院関係者はモリーが頼んだのでしょ?
原作であったワトソンへの書置きが、屋上と地上での電話での会話ということなのですね。
ここも、「近寄るな、僕を見ていて」というのは後の飛び降りトリックにつながるような気がして。
さらに「すごいな~と感心されたくて君のことを調べていたのさ、トリックだよ」みたいなことを言っていたのも、精一杯の種明かしだったように思える。
どんな種明かしがされるのか、胸をかきむしりながら待ちますよっ!(怒)

それにしてもすごかった、モリアーティ。
シャーロックの自作自演にモリアーティを演じさせられたと騙るリチャード・ブルック。
本人を目の前にしてスラスラ出る戯言、そういったことは想像の域ですが、ひゃ~っ許して!って感じで手で顔を覆った隙間から見える目だけがモリアーティなところ、すごかったです。
そしてそれを見逃さなかったシャーロック、ここの二人の対決ありきの屋上シーンですよ。

「飛び降りなきゃ友だち3人殺す!」で動揺しまくるシャーロックが、「モリアーティが中止命令を出せる立場にいる」ことに気づいて形勢逆転?と思わせて、「なるほど、そこに気づくとは賢いね~」とばかりに中止命令を出せない唯一の方法をとる狂気もすばらしかった。
シャーロックを亡き者にするためには死んでもいい、比喩ではなく文字通りに迷わず選択できる狂気に少し惚れる(笑)。

今年のエミー賞で、シャーロックが多数ノミネートされているようですが、第1話「ベルグレービアの醜聞」でらしいのですよ。
この3話の中では、緊張感といい、キャラクターのアピールといい、第3話「ライベンバッハ・ヒーロー」なのですけどね、私的には。
で、助演はモリアーティの人だと思いますよ。
ジョンは助演じゃないですよね、シャーロックとダブル主役ですよ。
静かに哀しみを噛み締める姿、墓への言葉(死んでるなんてやめてくれ!)、立ち去る姿勢、振り回されながらも理解者である懐を広げ続けたジョン、すばらしいじゃないですか!
もちろん、人間シャーロックも好きでした。
ハドソンさんが傷つけられたと知った時の怒り、お兄さんがハドソンさんに失礼な言葉を吐いた時のジョンとシンクロした叱責、なのでクライマックスでジョンの受けた電話「ハドソンさんが重傷」に身動きしないのは絶対ジョンをこの場から離す作戦だと思いましたよ、原作でもそんなところあったし。
屋上でジョンと電話で話しながら仕掛けていたトリックの中で、あの涙はホンモノだったと思うし。
3人の友だちが、ジョン、ハドソンさん、レストレードと、警部が入っていたことが見事。
モリアーティの読みと合致しているのも、どれほどシャーロックに執着しているかがわかってステキだ。
ちなみに、手錠をされたシャーロックとジョンが逃げ出すところで、頭を抱え込む警部もステキだ。
そしてこの逃げ出すところで、走る時は「手をつなげ!」と言っているが壁に沿って様子をうかがっている時の「シャーロックの袖を握るジョン」がツボだった(笑)。

お兄さんのマイクロフトがモリアーティに弟のことを話して聞かせた、ってあたりがよくわからなかった。
そこに遺恨があり、お兄さんは素直に弟を守れないからジョンを頼りにしている、という背景はわかったような気がしますけど。
で、シャーロック死亡のトリックにはお兄さんも一枚噛んでますよね?
でないと生活費困るし(笑)。
というよりも、これじゃお兄さんただの迂闊な人になっちゃうもの。


というわけで、原作まだ未読破のにわかファンで、解釈に疑問を持たれるかもしれませんが、たいへんに堪能いたしました。

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No Title

  • by あみ
  • URL
  • 2012/08/09(Thu)08:51
  • Edit
前シリーズを上回る面白さでしたね。
私は今回少しどころじゃなく完全に惚れましたよ、モリアーティ。
モリーの彼として出てきた時から気にはなってましたが、「ビージーズ」とは!!
ああ、なんて可愛いんだジム♥(すでにファーストネーム呼び)
だから彼の最後は知ってはいても、ジム~~~~。゚(゚´Д`゚)゜。と少々取り乱しまして
NHK版「ライヘンバッハ・ヒーロー」のみ未だ手をつけられずにいます(UK版は視聴済)。
原作なんて小学生の時に読んだきりですっかり忘れている上、英語字幕視聴なのでそれこそほとんど理解出来て無い可能性大なので、早いとこ吹替え版観ないとなぁ・・・とは思ってはいるのですが・・・^^;

「袖掴みジョン」は世界中の(腐)女子が狂喜乱舞しただろうなぁと思いました(爆)

Re:No Title

  • by カクテキ
  • 2012/08/09 09:40
モリアーティ、すごかったですよね。
彼にのまれた感じです。
だからこそ、静かなジョンに胸を締め付けられてしまいますよ。
UK版で既にご覧になっていたのですね。
訳の感じとか違和感あるのでしょうか?
原語のまま見られたら…とは思うのですが。
「袖掴みジョン」、これがツボだった私も立派な…なのでしょうか。
自覚はなかったのですが(笑)。

No Title

  • by あみ
  • URL
  • 2012/08/09(Thu)19:15
  • Edit
もともとマーティン・フリーマンのワトソンが見たくてUK版を取り寄せたのですが、仰るとおりこのジョンは助演じゃないですよね。本当に素晴らしいと思います。

日本語字幕は字数制限が厳しい所為か、私ですら「え?」と思う様な訳がありますが、さすがに吹替えでは「なるほどな~そう訳すんだ」と感心こそすれ、違和感を感じるほどの英語力は私にはありません(笑)

>「袖掴みジョン」
カクテキさんはもちろん(腐)抜きの女子ですよ~。
私は若干その気ありとの自覚はありますが(笑)。

Re:No Title

  • by カクテキ
  • 2012/08/10 09:25
静かなので通り過ぎてしまいそうですが、あの静かさの内に思慮深さや人を想う心が感じられて、やられますよね、モリアーティの人とは違った意味で。
だからこそ、シャーロックがいなくなったことでの静が見ているこっちにはこたえます。
早くシャーロック、帰ってきて!(笑)

確かに吹き替えの方が文字制限ない分スムーズでしょうね。
字幕だったら読むのに精一杯で、話の流れに乗り遅れているような気がいつもしていたので。
ただ、シャーロックは言葉遊びまではいかなくても、言葉の孕む綾を楽しむ面もあるようなので、それを感じられないのはちょっと残念だと思います。

>袖掴みジョン
おお、あみさんに腐抜き女子と認定されれば安心です(笑)。
でもこのシーン、とっても好きなんですよ(爆)。

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