原作再読が追いついたので。
原作とほとんど変わりなく話が進み、救いのない静かなエンディングまで同じ。
みんなが大切なものを失くしていき、幸せな結末などひとつもない。
自分は幸せだと勘違いしているものが一人だけいるが。
エンディングシーンは本とは微妙に違うが、映画の方が好みであり、哀しみも強く感じる。
DVDが発売になった頃だったか、Casey Affleck に難ありというようなものを読んだ気がするがそんなことなかった。
だって、パトリックがああだもの、Casey Affleck は紛れることなくパトリックだった。
不満があるとすれば、アンジーかな。
法的に正しいことをしようとしているパトリックに反対しているが、あれでは気持ちが流されただけのようにも受け取れる。
こんな世の中で子どもが育っていかなければならないことを嘆きながらも、パトリックの子どもが欲しいと言っていたことを加味してあげないと。
それでもやはり「ここで見守ればいいじゃない」は、ヘリーンの元で暮らすアマンダを思い浮かべるべきだったと感じる。
もうひとつ言うと、レミー・ブレサントの元娼婦の妻とその似ても似つかない息子の話もあると死に際の「子どもが大好きだ」がもっと深かったのに、と思わないでもない。
そんなに詰め込んだら、何時間あっても足りないし、せっかくの雰囲気が壊れちゃいますね。
好きな話が映画になると期待値ばかり上がって、がっかりすることが多いですが、概ね満足でした。
おまけだめだめ母親ヘリーン役はAmy Ryan。
彼女、The Wireでは少々生活に疲れはしているものの、シングルマザーとして頑張っているので、「本当の君はそんなんじゃないだろ!」と(笑)。
もう一人、The Wire のストリートで生きる男オマーの Michael Kenneth Williams がパトリックの友人警官デヴィンとして登場。
オマーの人が出ていると聞いて「絶対、チーズ役だ」と信じていたので少しびっくり(笑)。
この映画ではちょい役のようだけど、デヴィンは身も心も傷ついたパトリックを気遣う、愛情に溢れた男、すっごくいい役なのです(笑)。
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COMMENT
無題
この映画本当に好きで、どうして劇場公開しなかったのかさっぱりわかりません。エド・ハリスにモーガン・フリーマンと豪華じゃないですかあ。ベン・アフレックはこんなにも深くて、哀しい映画を作れるのですね。感心感動しました。
そうそう、オマーがさらっといい人でした。
よし、原作読むぞ!&TBさせていただきました♪
Re:atsumiさん
映画を見た今となっては、私の記憶違いだったという気もしてきました(笑)。
パトリックは内側は篤いけど表は静かだからぴったりだったという気がします。
原作にほとんど忠実で、一歩一歩刻むような作りが好みでした。
>オマー
一作から続けて読むと、オマーが演じたデヴィンがいい役だというのがよくわかると思います。
さすが、ばあちゃんの安心のために(っていうかばあちゃんが空港には来ないから)「空港のカフェで働いてる」と優しいウソをつく人だなと混同した感心をしました。