前シリーズをWOWOWで見て、AXNミステリーでも見て(「殺人者の顔」だけ)、改めて小説を読んで(シリーズ2作めの
「リガの犬たち」)、ヴァランダーの情けなさに強く惹かれました(笑)。
このイギリス版のヴァランダーは情けなさ濃度は低めですが。
本当はこの「殺人者の顔」がシリーズの幕開けなので、本当はいるはずのあの人がいないのは残念。
農家で老夫婦が襲われる事件が発生。
夫は死亡していたが、妻は到着時にまだ息があり、ヴァランダーが犯人の質問をするが何やらよく聞き取れないままに息を引き取る。
捜査会議で可能性のある言葉のひとつとして「外国人」と発したことがマスコミに漏れ、外国人排斥運動につながるのでは?という恐れを抱えながら捜査にあたる。
「目くらましの道」の菜の花畑同様、景色の効果が印象的。
響き渡るというか、それがどこで起きているのかが心に直に飛び込んでくるかのよう。
移民排斥運動がもっと激しかった記憶がありますが、こちらでは娘リンダの恋人が外国人であったことにショックを受けているヴァランダーのほうが強いです。
自分は差別などしたことも感じたこともないと思っていたが、好青年で医者、スウェーデン人であるにも関わらず、人種が違うことで動揺するという正直な男。
差別して当たり前というのではない。
人は身近に起きないと問題の本質とは向き合えないのだと思う。
聖人ではないことに正直であるところが好きだ。
かといって開き直っているわけではなく、彼は苦悩するのだ。
お父さんとの関係もそう。
わかっているのに最善と思われる方法には二の足を踏む。
そしてお父さんの偏屈さも手伝って、歩み寄りを受け止めてもらえない、そんな心の不器用な家系(リンダもね)を感じられるのもまた好み。
そういえば、勝手に恋して勝手にふられるという彼の特徴ともいうべき出来事がなかったのは少し残念。次に期待できるかしら?(笑)
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COMMENT
無題
必要以上にショッキングな描写を入れないのがいいです。
来週も楽しみですね!
Re:atsumiさん
早っ!
私も原作2作だけしか読んでないのですけど、BBC版を見てからはイメージづけができたせいか、ヴァランダーという男が実に興味深く、小説内の人物としてはかなり好きです。
事件というよりも、ヴァランダーを見たくて、知りたくてたまりません(笑)。
刑事仲間の話も、ヴァランダーのうじうじ感が伝わってきてとてもよろしいです。
マーティンソンをどう見てるかとかわかると、視線も意味深ですし。
そういえば、原作では署長は男だったなあ。
でも彼女、男気ありますからOKですね。