ザ・ミッシング～消えた少年～（終）

多分、未見の方は知らない方がいいことばかりなので、そのようにお願いいたします。

あの二人が兄弟だということを、聞き逃していたようです。
シルヴィーがアランに「お兄さんが～」と言っていた記憶はありますが、正直それが誰なのかは気にかけてませんでしたよ。
でも、彼の行動はあやしすぎたので、ここがわかっていたらもっと早くトニーたちに教えてあげられたのに（笑）。
選挙支援をしてくれる約束のお友だちは小児性愛者、弟は断酒会には行ってるものの酒浸りの果てに事故を起こし、最終話で見た行方不明発生時の記者会見での予審判事の表情は、すべてを語っていたのですね（第１話でもああだったかしら？）。
しかし、もはや、犯人とかどうでもいいです。
いや、真相判らんといけないわけですけど。

気の毒すぎます、ヴィンセント。
確かに前科はあった。
が、オリヴァー事件の後逮捕されたのは画像所持。
仕事も子どもと接しないですむシフト、科学的去勢を試み、彼は「病気」と向き合ってたのにね。
よくこの「病気」の方は、「向こうが誘ってる」と自分を本気で正当化してますけど、ヴィンセントは自分を「怪物」として責め続けてましたよね。
イアン・ギャレットこそは、本気で正当化する部類だったように思われます。
イアンは同好の友であるヴィンセントを助けようと、たまたま金持ちだから偽のアリバイを買ってあげただけで、オリヴァー事件とは何の関係もなかったわけでした。
「私たちは一切関係ない」とか、強硬な口止めから、そういった組織の犯罪なのかと思ってしまいましたよ。
ただ、秘密の趣味同盟だったのですね。
お母さんにあてた遺書も哀しく、日に日にやつれていくヴィンセントが気の毒でならなかったのですが、最終話で気づいたけど、彼の住まいは学校の近くだったよ…（笑）。

そして、本当の主役のトニーです。
オリヴァーの遺体は見つからないものの、ほぼ真相を得た彼は、ジュリアンに娘さんのための更生施設を紹介し、シルヴィーにアランのやったことを話さず、元嫁エミリーの結婚も祝福でき、人としての生活に戻るかに見えました。
やはり、予想をつけるのと真相を知ることは違うのだな、と思ったものです。
が、そこに市長自殺の報を受け、彼の時間はまた戻ってしまいました。
遺体が見つかっていないのだから、死んでいるとは限らないとばかりに、囮刑事のあぶり出しのための東欧への密輸品の話に縋り、ロシアの町で13歳くらいの少年を探す旅に出てしまいました。
くもった車のガラスに描かれた「でか耳」の絵は、トニーが描いたんですよね。
13歳のオリヴァーは、もうあんな絵描かないよ…
ほぼ真相だとまわりが思っても、トニーにはかたちとして「結果」が欲しいのです。
あの時オリヴァーの手を離した自分に「結果」を突き付けないと、どうにもならないのですね。
エミリーが、死んだと聞いて一瞬ほっとしたというのに「わかるよ」と言ってましたけど、わかってなんていなかったのです。
なんというバッド・エンディングなのでしょう。

そして、本編終了後にビックリなメッセージですよ。
「第二章」って！！！
トニーの東欧放浪旅があるのですか？
これ以上、酷な目に遭わせないでください。
それとも、american horror story や true detective みたいに、同じタイトルだけど違う失踪事件を追うのでしょうか。
あのトニーの話が続くなら、あまり見たくないですよ…。