スコットランドヤードのリンリー警部は友人の結婚式に出席中ヘイバース巡査部長に農場主殺人事件の捜査に呼び出される。
貴族の出で取り澄ましていると見られているリンリー警部と中産階級の気の強いヘイバースを組ませることで仲違いを誘い上層部は厄介払いを企んでいた。筋書き通りヘイバースのリンリーへの反発でうまくいかないコンビだが、事件を解決したいという想いは同じ。解決後には当初とは違った感情が芽生えているのでした。
精神的な虐待、これを思い出したことで犯人とその理由も思い出した。
いい子でいることを強要された母親は家出、後を継がされた姉も家出、そして残された妹ロベルタは父親の命令が虐待だとわかっていながらも愛情の方を信じようとした。
「虐待ではなく私を愛しているから、いい子であって欲しいから」そう信じていたのに父親の心は再婚相手とその子どもに向かい始めている。そうはさせない、私のお父さんでなければいけないとの想いを貫くための凶行。でも深層にはリンリー警部の言うように「守ってあげなくちゃ」という心もあったはず。
ロベルタの心をこんなに歪めてしまったのはやはり虐待であった証拠。
そしてロベルタに相談を受けながらも凶器を隠すこと以外何もしなかった神父の罪も深い。リンリー警部の怒りも当然。
デボラはリンリー警部の婚約者だったように記憶している。友人と結婚してあれではこれも精神的虐待なのでは?テーマがそうだったのか!(笑)これからまだそういった苦悩がつきまとうことになるのだろうか。
ヘイバースの反発も、リンリー警部の心に触れて一気に懐柔ではないところが好印象。解決後に家庭の事情を吐き出したヘイバースと警部は確かに心が近づいただろうが、次はまたきっとたてついてると思う。
ヘイバースは弱味を見せたことを強気で押しのけようとするタイプとみた。リンリー警部の災難だ。
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COMMENT
こんにちは!
デボラとのやりとりも、事件の問題と重なっての
ことだったとは!カクテキさんのレビューを読み
うなづいてしまいました。
デボラ、嫌いです~!忘れられないリンリー警部が
可哀想でなりません。いい人すぎます。
Re:こんにちは!
デボラのあれはひどいですよね。場所は偶然とはいえ、出会ってしまったら何とかしなくちゃ。
でもまあ、リンリー警部が幻覚を見ていたのではないことがわかっただけよかったです(笑)。