エイベックス・トラックス
発売日:2007-07-18
おすすめ度:
香港最大の黒社会組織で2年ごとに行われる会長選挙。立候補しているのは忠実で面倒見のよいロクと強引で金儲け主義のディー。金で票を集め会長の証「竜頭棍」を手に入れたつもりのディーだったが、組織にふさわしい会長をと言う長老の言葉でロクに決定。怒ったディーは強引に「竜頭棍」を奪って会長になろうとするが…。
香港の黒社会版コンクラーベ(笑)。
本当のコンクラーベは全員一致で決まるまでいつまでも続けるというが、こちらは決まってからが長かった(笑)。
退屈で長く感じたという意味ではなく、ディーは往生際が悪いなあという意味です。
むしろ映画はコンパクトでスピーディー、中味と時間のバランスが非常によかったです。
黒社会ものなのに銃が登場しないというのも新鮮だけれど、その分はえげつなさで完全フォロー(笑)。
ディーが自分を選ばなかった裏切り者を木箱に入れて山から蹴り落とすのは圧巻。
子分たちが下まで転がり落ちたのを拾い上げてそれをまた蹴り落とす。
子分もご苦労さんだけど銃で脅すよりも狂気が感じられた。
ディーをなだめ、組織としての団結を思い起こさせるロクはさすが。
しかしラスト、あの穴をロクはいつ掘り始めたのかと思うと彼もまた会長への狂気にとり憑かれていたのだな、と安心するやら恐ろしいやら。
実際の穴も計画して用意済みだったのか、結果としてなのか、どっちにしてもその執念が恐ろしいことには変わりない。
監督がジョニー・トーなので当然林雪も登場(笑)。
バイクの兄ちゃんと並んで黒社会の秩序と伝統を重んじる筋の通った男でした。
ロクの子分に納まったルイス・クーが中途半端でもったいないと思ったら、「2」に主役で登場とか。
だめだめになってしまったオヤジさん、経済を勉強中のインテリヤクザ、そしてロクの元で学ぶ帝王学、そういった背景をふまえてキャラクターが開花していることを期待してしまいます。
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